レギュラー8、スーパー8、シングル8という3つの規格がある8ミリフィルムは、50年以上も昔から家庭用ビデオフィルムとして活躍してきました。この8ミリフィルムで、ホームビデオを撮影したという方も多いのではないでしょうか。しかし、8ミリフィルムは劣化が著しく、早急に対策を打たなければせっかくの映像記録が見られなくなる可能性があります。
8ミリフィルムは、VHSやカセットテープといった媒体と同様に経年劣化が激しいという特徴があります。保管環境や取り扱い方が不適切な場合、8ミリフィルムの劣化は加速します。フィルムの劣化によってあらわれる症状のひとつが“加水分解”です。これは湿気により起こるもので、具体的に以下のような症状が見られます。
・酢酸臭の発生
8ミリフィルムは、不燃性の“トリアセテート”と呼ばれる材質から成っています。8ミリフィルムが高温多湿な環境に長期間放置されることで、このトリアセテートが変質します。その後、フィルムは独特の酸っぱい嫌な臭いを放つようになります。
・さらに加水分解が進むと……
フィルムの加水分解が進むと、フィルムがベタついて徐々に溶けていきます。ベタついた状態を放置すると、フィルムが巻かれた状態で固まってしまい引き剥がすことが困難になります。さらに状態が進行すると、フィルムが粉々に破損してしまうこともあります。
・カビの発生
加水分解が進行している状態でフィルムを放置すると、フィルムに含まれるゼラチン成分にカビが付着してしまいます。そうなるとフィルムのコマにカビが写り込んでしまうなど、映像データに大きな悪影響が及ぶことになります。
これらのほかにも、フィルムの劣化を放置するとさまざまな症状が発生します。そうならないためにも、フィルムは適切な場所で保管しましょう。そして、フィルムの映像データを残しておきたければ、DVDなどの媒体へダビングすることが得策です。
経年劣化が激しいフィルムを適切に保管するには、まず保管環境を見直すことが大切です。前項で述べた通り、高温多湿の環境はフィルムにとって劣悪な環境です。したがって、できるだけ気温が安定した風通しのよい場所で保管しましょう。くわえて、酢酸やカビが溜まるのを防止するために、フィルムを年に数回巻き直すことも大切です。
フィルムの劣化が始まると、酢酸ガスを発生させるようになります。この酢酸ガスが発生することで、正常なフィルムにも悪影響を及ぼす可能性があります。劣化が始まったフィルムは正常な状態のフィルムと分けて保管することが大切です。
いかがでしたか。8ミリフィルムが劣化すると、修復したり映像データをダビングしたりすることが困難になってしまいます。そうした事態を防ぐためにも、フィルムの劣化症状や正しい保管方法を知っておき、対策を打つことが大切です。「フィルムの劣化が心配で、今のうちに映像データをDVDにダビングしたい」という方はぜひ、パレットプラザ「なんでもダビング」にお任せください。