PA(パル)LとSECAM(セカム)は、どちらも海外で採用されている映像規格です。テレビ放送だけでなく、ビデオテープやDVDといった映像媒体の再生、編集においても大きな影響を及ぼします。 PALはドイツを中心に西ヨーロッパやアジア、ブラジルやオーストラリアなどで使われています。SECAMはフランスを中心にロシアや東ヨーロッパ、アフリカ諸国などで使われている規格です。この他にも日本やアメリカ、台湾などで使われているNTSCという規格があり、世界中の映像規格はおおよそこの3つに分かれています。 日本がNTSCを映像規格に選んだのは、1960年の行われた東京オリンピックがきっかけです。そのころの日本では白黒テレビが主流でしたが、東京オリンピックは世界各国に放送するためにカラー放送となりました。そのため、白黒テレビと互換性が高く、きれいな映像を見ることができるNTSCが広まったのです。それとほぼ同時期にドイツではPALが、フランスではSECAMが開発され、近隣諸国や文化的な影響の大きい国へと伝わりました。映像を再生するには、ビデオテープやDVDといった映像媒体と再生機器、そして映像を映すモニターの規格が一致していることが必要になります。
3つの規格の違いは、色を送る信号の伝達方法です。
映像は画素と呼ばれるごく小さな色の点が集まることで構成され、画素を順番に光らせて映像を展開することを走査といいます。走査によって描かれた水平方向の線を走査線といい、この走査線の数が多いほど、高画質で精細な映像になるのです。近年発展したハイビジョンテレビは1125本もの走査線を表示させることができるため、高画質の映像を映すことができます。
また、走査線は1列目、3列目、5列目……と続く奇数フィールドと、2列目、4列目、6列目……と続く偶数フィールドに分割されています。奇数フィールドと偶数フィールドを分けて表示させることで映像を作る出力方法をインターレース方式と呼び、NTSCとPAL、SECAMはいずれもこのインターレース方式によって成り立っているのです。では、それぞれの規格についてご紹介します。
・NTSC
525本の走査線上で、1秒ごとに60枚の静止画で構成された映像をインターレース方式を用いて放送します。アメリカで開発され、1960年代に日本で採用されました。
・PAL
625本の走査線上で、1秒ごとに50枚の静止画で構成された映像をインターレース方式を用いて放送します。フレーム数(1秒あたりに表示する静止画の数)が少ないため、NTSCと比べてフリッカーと呼ばれる映像のちらつきが発生しやすいとされています。
・SECAM
PALと同様、625本の走査線上で、1秒ごとに50枚の静止画で構成された映像をインターレース方式を用いて放送します。このためPALとSECAMは互換性が高く、海外ではPAL/SECAM両対応になっているテレビも多く普及しているようです。
フレーム数や走査線の数といった違いがあり、NTSCを採用している日本の映像機器では、PALやSECAM規格のビデオテープは再生できません。
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